2007-01-06

伏見稲荷に今年3度目の初詣に行く


年越しで京都の錦天満宮にお参りし、元旦に大阪天満宮にお参りし、仕事始めの4日、神戸の編集部の連中と、どこ行こか?となりました。
というのも、目と鼻の先の生田神社は、藤原紀香が結婚式を挙げるとかで、なんの関係があるんか知りませんが、どえらい混み具合で、これはかなわんし、たまにはどっかべつの場所に行こかという話にもなり、オレ、久しぶりに伏見稲荷に行ってみたかったので、なんと神戸から京都は伏見にある伏見稲荷にお参りに行くことになりました。だって、お稲荷さんは、今では商売の神さんでもあるし。ま、そんなことしてたらほとんど仕事になりませんが、いいんです、どうせえべっさんが過ぎるまでは仕事にならしまへんから。

んで、神戸から大阪を通過して行った伏見稲荷。ここも混んでましたが、境内が押し合いへし合いってほどじゃなかったので、まあ、よかったのかと。ちなみに、あとで聞いた話ですが、2006年度の正月3ヶ日の参拝客は、全国で一番やったんだとか。

伏見稲荷、こんなところです。全国のお稲荷さんの総本宮なので、さすがにいいドメインを持ってますな。

http://inari.jp/

鳥居が延々と連なって並び、トンネルみたいになってるところです。あの千本鳥居(写真左)、その名のとおり、優に1000本2000本はあるんじゃなかろうですかね。

ここまで書いてふと思ったんですが、稲荷神社って、神社のなかでも一番たくさんあるんじゃないかしら。街中でもビルの屋上やら工場の敷地内に祀られていることが多いのがお稲荷さんやし、たしか、「江戸の火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞」って言葉もありました。
そうすると、そこの総本宮なので、参拝客が全国トップクラスなのはあたりまえですわな。。。
4日やったので全然マシでしたが、もうちょっと考えて行き先を決めたらよかったです。

さて、お稲荷さんは、稲とあるとおり、もともとは食物の神さんである宇迦之御魂神(うかのみけつのかみ)と同一視され、けつ=キツネとなりますから、御魂神→三狐神と解して、狐がお稲荷さんの眷属であるとされたわけです。最初は食物の神さんでしたが、中世以降、工業・商業が盛んになるとそっちの神さんにもなり、今では産業全般の神さん。

と、解説を要約して書いてますが、わかったようでわからん話です。日本語独特の同音異句の転移が行なわれてるので、そこだけブレイクスルーしちゃってます。もうちょっと納得出来る説明が欲しいんですが、どなたかご存知ないですかね? なんで、狐なのよ(笑)

だから、狛犬の代わりに宝玉をくわえた狐の像が置かれているし、お神酒,赤飯だけじゃなくて油揚げが供えられ、ほいで鳥居のトンネルでしょ…。やっぱ、変わってますわ、ここは。

伏見稲荷は、稲荷山全域が神域になっていて、麓にある本殿は初詣客で賑わってますが、千本鳥居をくぐりながら山を登っていくと、案外と空いてました。
編集部の若い連中は、初めて体験する鳥居のトンネルを不思議そうに歩いてましたけどね。

鳥居自体は寄贈で出来ているので、それぞれに寄贈者の名前が彫られています。
んでね、一番目立つ一番大きいのが、あの、日栄からの寄贈なんですよ。何年かまえに、根保証の説明をせずに契約し、メチャクチャな取り立てを日常的にしていて、恐喝罪でパクられまくった悪徳金融会社。その瞬間にスポンサー契約を切ったのは報道ステーションでしたが、それは余談として。
寄贈年が平成18年というのもあるし、古いのもあるし、ところどころ歯抜けになってるところもあるし、寄贈といっても、何年契約とかあるんかもしれません。
で、人がくぐれる普通の大きさの鳥居以外にも、高さ50cm程度の小さな鳥居が、即売されてるんです。2800円を筆頭に、大・中・小と。その場で達筆のおじさんが名前を書いてくれて、それを奉納するんですわ。これ、結構にぎわってました。んで、その鳥居を即売してるのは、有限会社でしたけどね(笑)

見てたら、商売が上手いんです。
いや、これは悪い意味でそう思ったのではなくて、ここは今でも生きてる、現役の神社なんやなと思ったわけです。
お寺さんは宗教の拠点としての役目を終え、観光スポットとして、文化財として生まれ変わっているところが多いですが、神社は総じて、今でも信仰の拠点として、現役ですな。生きてる場所です。
だからこそ、商売も絡んでくるし、ある種の生々しさがあります。
稲荷山なんて、そこらじゅうが墓というか、塚ですから。

オレは世界中の宗教に興味があるほうだし、足も伸ばしてきたし、見聞きもし漁ってきましたが、無宗教なんですよね。ルイスの名前こそキリスト教に入信して洗礼名としていただいてますが、根本的に無宗教。
だからね、現役で生きてる宗教の現場に身を置くと、ドキッとするんですわ。ここにいてもいいんやろか、と。

と、思ったのも束の間、山を下りたときには、お稲荷さんを買って頬張ってました。
今年はなんだかんだで初詣に3つの神社をハシゴ。なんかいいことありますように☆

2007-01-04

天神さんの牛(錦天満宮)


今年の初詣、相方さん他数人と、錦天満宮に行ってきました。

京都の台所、錦市場を東に行ったドン突き、新京極通と交わるところに、ひっそりと錦天満宮はあります。
相方さんがバイトしてるカフェのすぐ近くにあるので、しょっちゅう前を通ってるんですが、初詣にこのお宮は完全にノーマークでした。最初、激混み覚悟で八坂神社に行こうとしてましたからね。

夜中、フラフラ歩いていってみると、参拝客もまばら。でも、提灯に灯は入ってるし、かがり火は焚いてあるし、いいかんじです。

境内には水が沸いていましてね、あったかいんです。18℃くらいあるんだとか。京都は地下水脈が豊富なので、どこを掘っても井戸水が沸きますが、これだけ温かいと、温泉になるんじゃないですかね。なんにしても、冬の深夜にあったかい水の出る手水舎は、ありがたいです。京都の名水にも選ばれてるだけありますな。

ほいでここ、狛犬の代わりに、牛がいるんですわ。
画像左が、それ。
天満宮といえば菅原道真で、彼が丑年生まれだということはかすかに知っていたんですが、だからといって牛を祀っている天満宮って、あんまり聞かないし、なんで錦天満だけ?と思って、宮司さんに聞いてみたのでした。

そしたらば、オレの地元の大阪天満宮や福島天満宮には牛の石像はないけれども、全国の天満宮には、結構あるらしいですな。ほいで、その理由は、菅原道真が丑年生まれというのはもちろんとして、どーやらそれだけではないらしいのですよ。

まず、道真伝承というのがありまして…。
・道真が死去した際に喪の車を引く牛が急に動かなくなった場所を墓所とした。
・九州の筑紫で道真が荒牛を鎮めた。
・太宰府に下る途中で2度も牛に救われた。
このあたりの話が束ねられて、道真伝承となり、全国の天満宮に牛の石像が置かれるようになった、と。

要するに、神の使いである眷属です。
熊野大社のカラス、日吉大社のサル、八幡宮のハト、春日大社のシカ、松尾大社のカメ、愛宕神社のイノシシ、三峯神社のオオカミなんかとおなじですね。

このあたり、宮司さんが嬉々として語る語る! 退屈してたのか、宮司?(笑)
でも、それだけじゃ終わらんのですね。
なんか、一度奥に引っ込んで、新聞記事の切り抜きやら古い縁起本なんかを引っぱり出してきて、説明は続きます。

最近の研究ではどうやら、疫病退散の象徴として、土牛を祀ったのがはじまりではないか、と。続日本紀にそのように書かれた箇所があるらしいです。
そもそも、牛は日本の農業には欠かせない動物で、牛を信仰する土着の風習は日本各地にあったんだそうです。んで、疫病が流行るたびに土牛が祀られ、疫病退散の象徴になっていったんだとか。
宮司曰く、そうした土着の風習が、道真信仰によって強化され、天神さんで牛が祀られるようになったのではないか、と。
諸説いろいろありますが、ここの宮司さんは、この説を強く推しておられました。

んで、最後にひとこと。
大阪天満宮にも牛の石像がありますよ、と。
あれ? そうでしたっけ? 大阪天満宮はそれこそ地元だし、境内をしょっちゅう通ってるんですが、まるで記憶なし(笑)

元旦の夜、大阪に戻ってきて徹夜麻雀に出かける途中、お参りがてら確認しにいきました。
そしたら、境内の片隅に、でかでかと牛さんが鎮座してましたわ(笑)